テニス肘・野球肘
- 平田政志郎
- 4月13日
- 読了時間: 3分
テニス肘と野球肘は、どちらも肘の使いすぎによって起こるスポーツ障害ですが、原因となる動作や好発年齢、症状に違いがあります。
テニス肘(上腕骨外側上顆炎)
原因:
* 手首を伸ばす筋肉の使いすぎ: テニスのバックハンドストローク、バドミントン、卓球などのラケットスポーツ、ゴルフのスイングなどで、手首を伸ばす筋肉(主に短橈側手根伸筋)に繰り返し負担がかかることで、肘の外側の骨(上腕骨外側上顆)との付着部に炎症や小さな断裂が生じます。
* スポーツ以外の動作: 日常生活での手の使いすぎ(パソコン作業、家事、重い物を運ぶなど)、加齢による腱の変性、筋力低下なども原因となることがあります。
* 不適切なフォームや道具: ラケットのサイズやガットの張り具合、スイングフォームなどが合っていない場合も、肘に負担がかかりやすくなります。
症状:
* 肘の外側の痛み: 物をつかんで持ち上げる、タオルを絞る、ドアノブを回すなどの動作で痛みが増強します。
* 手首を反らす際の痛み: 手首を手の甲側に曲げる動作で肘の外側に痛みが生じます。
* 指を伸ばす際の痛み: 中指や薬指を伸ばす際に肘の外側に痛みが生じることがあります。
* 安静時の痛み: 症状が悪化すると、安静時にもズキズキとした痛みを感じることがあります。
* 握力の低下: 痛みのために、物を強く握ることが難しくなることがあります。
好発年齢: 30~50歳代に多く見られますが、スポーツをする若い世代にも起こりえます。
野球肘
原因:
* 投球動作の繰り返し: 野球の投球動作は、肘に大きな負担をかけます。特に成長期においては、骨や軟骨がまだ発達段階にあるため、過度な投球練習や不適切なフォームによって肘の様々な部位に障害が起こりやすくなります。
* 投球フォームの不良: 体全体の連動性が悪く、肘に負担のかかる投げ方をしている場合に起こりやすいです。
* 過度な練習量: 適切な休息を取らずに投げ続けることで、肘に疲労が蓄積し、損傷につながります。
* 変化球の多投: 特に成長期においては、変化球は肘への負担が大きいため、多投は避けるべきです。
症状:
野球肘は、痛む場所によっていくつかの種類に分けられ、それぞれ症状が異なります。
* 内側型野球肘:
* 原因: 投球時の肘の内側への牽引力(引っ張られる力)の繰り返しにより、内側の靭帯や筋肉、成長期の骨端線(骨の成長に関わる部分)などが損傷します。
* 症状: 投球時に肘の内側に痛みが生じます。肘の内側を押すと痛みがあったり、肘を伸ばす際に痛みを感じたりします。重症化すると、安静時にも痛みが続くことがあります。
* 外側型野球肘:
* 原因: 投球時に肘の外側の骨同士が衝突し、軟骨や骨が損傷します(離断性骨軟骨炎など)。
* 症状: 肘の外側に痛みが生じ、進行すると肘の曲げ伸ばしがしにくくなったり、引っかかり感が出たりすることがあります。初期には痛みが軽度なこともあります。
* 後方型野球肘:
* 原因: 投球時に肘が伸びる際に、肘の後ろの骨同士が衝突したり、軟骨が挟まれたりすることで痛みが生じます。
* 症状: 肘の後ろ側に痛みが生じ、肘を伸ばす際に痛みが強くなることがあります。
好発年齢: 成長期の少年(特に小学生~高校生)に多く見られますが、成人でも投球動作を繰り返すことで起こることがあります。
テニス肘も野球肘も同じように肘の使い過ぎにより起こりますが、原因は1人1人違うことがあるのでしっかり原因を見つけることが大事になります。スポーツをされている方はもちろんですが、スポーツをしていないのに整形外科などでテニス肘や野球肘と言われた方の施術もできますのでお気軽にお問い合わせください。