腰椎すべり症
- 平田政志郎
- 3 日前
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腰椎すべり症は、背骨の一部である腰椎が、正常な位置から前方にずれてしまう病気です。このずれによって、神経が圧迫されたり、周囲の組織に負担がかかったりすることで、様々な症状が現れます。
原因
腰椎すべり症は、その原因によっていくつかの種類に分類されます。主な原因は以下の通りです。
* 分離すべり症: 腰椎の後方部分にある椎弓(ついきゅう)という骨が、疲労骨折などによって分離(離れてしまう)し、その部分で腰椎が前方にずれるものです。成長期のスポーツ活動などで繰り返し負荷がかかることが原因となることが多いです。若い世代に多く見られます。
* 変性すべり症: 加齢に伴い、椎間板や靭帯が変性・緩むことで、腰椎が不安定になり前方にずれるものです。中年以降の女性に多く見られます。
* 形成不全性すべり症: 生まれつき椎弓の形成が不完全であるために、成長とともに腰椎がずれてくるものです。
* 外傷性すべり症: 交通事故や転落などの強い外力によって、腰椎が骨折したり、靭帯が損傷したりすることで、腰椎がずれるものです。
* 病的すべり症: 腫瘍や感染症などによって腰椎の構造が破壊され、不安定になることで腰椎がずれるものです。
日本人に多いのは、分離すべり症と変性すべり症です。
症状
腰椎すべり症の主な症状は以下の通りです。
* 腰痛:
* 動作時や長時間立っている時、腰を反らした時などに痛みが出やすいです。
* 安静にしていると楽になることが多いです。
* 変性すべり症では、慢性的な腰痛が続くこともあります。
* 下肢の痛みやしびれ:
* ずれた腰椎が神経を圧迫することで、お尻から太もも、すね、足先にかけて痛みやしびれが生じることがあります(坐骨神経痛)。
* 痛みは、電気が走るような鋭い痛みや、重く鈍い痛みなど様々です。
* 間欠性跛行(かんけつせいはこう):
* 特に変性すべり症でよく見られる症状です。
* しばらく歩くと、下肢の痛みやしびれ、脱力感などが強くなり、歩き続けることが困難になります。
* しゃがんだり、前かがみになったりしてしばらく休むと、症状が軽減し、再び歩けるようになります。
* 腰部の変形:
* 腰椎が大きくずれている場合、腰の骨が階段状に突出して触れることがあります。
* 排尿・排便障害:
* まれに、神経の圧迫が高度になると、排尿や排便の障害が現れることがあります。
症状の程度は、すべりの程度や神経の圧迫の程度によって大きく異なります。初期には軽い腰痛程度でも、進行すると日常生活に大きな支障をきたすことがあります。
症状の程度により、矯正が難しい場合もありますが軽度のものや手術をしたくないという方はひらた整骨院にご相談ください